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紅茶の街宇都宮市のY's tea roomのアフタヌーンティーセットがすごい

      2017/06/17

宇都宮市は餃子やジャズや焼きそばや大谷石だけではない。紅茶の街だ

栃木県宇都宮市と聞いて餃子、ジャズ、焼きそば、大谷石、カクテルを連想する向きは多い。
あるいは、レモン牛乳なる飲料を想像する者も少なからずいるだろう。

しかし、宇都宮と聞いて「紅茶の街だ」と連想する人は多くない。
もしも宇都宮が紅茶の年間消費量の多い街だということに即座に至る人がいれば、その人は只者ではない。

宇都宮は紅茶の年間消費量が全国1位だった

まずは貴重な資料として、以下の参考文献をご覧いただきたい。

るるぶ特別編集「宇都宮」

これはるるぶ特別編集「宇都宮」の表紙であり、宇都宮の魅力が詰まった総合パンフレットとしてお馴染みの資料である。

この冊子の15ページの左下欄には、以下のような記載がある。

るるぶ特別編集「宇都宮」のY's tea

宇都宮は2008〜2010年の紅茶の年間消費量が全国1位となり、市内では紅茶ブームが起こりつつある。

餃子の消費量が全国1位か2位かで争っていることは有名だが、紅茶に関して実は全国消費量が1位だったことがある事実を知る人はどれくらいいるのだろうか。

紅茶は元来高貴な貴族が嗜む飲料であり、その消費量が全国1位ということはすなわち、宇都宮市民の民度の高さを物語るといっても過言ではない。

しかしなぜ宇都宮市民がこれほどまでに民度が高くなったのだろうか。

2008年に全国1位になったということは、その直前に何かきっかけがあったに違いなかった。

このブームの立役者の一人が、2006年に紅茶専門店Y's teaをオープンさせた根本さん。

それを知る鍵となるのが、この「Y's tea」にあることを、るるぶ特別編集「宇都宮」なる貴重な資料はほのめかしていた。

そこで私はこのY's tea room(ワイズティールーム)なる店に行くことにし、宇都宮が紅茶の街として成し遂げたことの謎を解くことにしたのである。

Y's tea roomは子連れアフタヌーンティーを楽しむのにオススメ

Y's tea roomは子連れアフタヌーンティーを楽しむのに最適

地図を見て歩くと、一瞬通り過ぎてしまうくらいに店の入り口が狭かった。

というか本当に通り過ぎてしまった。

なぜか。

その隣の店の牛丼屋チェーン店の店の前で、女子高生と思しき2人組が地べたに座って喫煙していたからである。

路上でタバコを吸うことほど害悪なものはなく、まして地面に座ってそれを行うことほどみすぼらしいものはなかった。

加えて、10代という輝かしい時間をそのように無駄に打ち捨てている様子を見るのが辛かった。

彼女らの暗い未来を見るのは心が痛い。

したがって、害悪なものや暗いものはなるべく見ないことにしていた私はうっかり、優良店舗のY's tea roomまで視界に入っていなかった。

このことはある種の社会システムを投影していると言えた。

すなわち、社会悪が目立ってしまうために、少数の有益なものがその影に隠れてしまうことだ。

しかしそのことをここで論じると長くなるので省略するが、いついかなる時でも、細部に隠れた有益なものを見失わないようにアンテナを張っておかねばならない、ということの啓示を受けたと感じた。

Y's tea roomの看板

店頭にはおしゃれな看板が出ている。

まるでイギリスのティールームを思わせるようなオブジェであった。

玄関のドアを開けるとすぐに階段があり、そこを上がった二階が店内であったが、まず、小さい子供がいても構わないかどうかを確認するために私だけ上がって店員さんに尋ねると、小さい子供連れでも歓迎だということだった。

イギリス風の高貴なホスピタリティーを感じた。

蓋しY's tea roomは子連れアフタヌーンティーを楽しむのに最適である。

高貴な店内

棚に飾られた紅茶

店内には、胡蝶蘭が飾られてあり、棚には大量の紅茶が各々の持ち場で鎮座していた。

棚に紅茶。貴族の家としか表現しようがない。

棚に飾られた食器

別の棚には、写真や食器、関連書籍が並ぶ。

もはや知的な富裕層の邸宅である。

正月飾り

お抱えのデザイナーでもいるのだろうか。

一つ一つの飾り付けに非の打ち所がなく、完璧の2文字がふさわしかった。

日本紅茶協会の認定証

あの日本紅茶協会の厳正な審査により、「おいしい紅茶の店」として認められたとの認定証があった。

ちなみに、この認定店としては、帝国ホテルのラウンジなど、名だたる店が並ぶ。

一流ホテルに引けを取らないクオリティーということだ。

なお、認定日が2010年11月1日。

2008年から2010年に宇都宮の紅茶の年間消費量が全国1位になったこととの時期的な符合がある。

謎を解く鍵の1つを手に入れた。

宇都宮オマージュがすごい

水にレモン

水が提供された。

一口飲む。
ただの水ではない。レモン水だ。

私は稲妻に打たれたような気持ちになった。

宇都宮といえばレモン牛乳。

そのレモンにちなんだレモン水がいきなり提供されたということは、この店は宇都宮オマージュが各種に散りばめられているに違いない。

メニュー表

恐る恐る、重厚なメニューを開く。

Utsunomiya Tea Story

・Utsunomiya Tea Story
宇都宮市&栃木県 紅茶消費量W日本一記念紅茶・・・

マロニエール

・Marronnier(マロニエール)
栃の木(マロニエ)の緑を表現したペパーミントを栃木名産・・・

<栃木プロスポーツ応援紅茶>
・BREX Blend(栃木BREX)
・・・

・Yellow Dream(栃木SC)
・・・

jazzの宮

・JAZZの宮
「JAZZの街宇都宮」を紅茶で応援・・・

予想通り、あらゆる場所に宇都宮への応援が込められている。

街と紅茶とを一体とする試み、そして先の「おいしい紅茶の店」認定証。

そして気づけば店内かかるミュージックはジャズであることに気づく。

全ての謎が解けた。

いつも私が紅茶を飲みながら聴く音楽はクラシックであったが、ジャズとともに楽しむ紅茶とはどのようなものか、興味深かった。

ジャズとともに宇都宮で飲む紅茶。

そして私は誘われるように「JAZZの宮」をオーダーした。

オリオン通りを眺める景色

窓際席から見渡せる、一等地の目抜き通りオリオン通りの賑わい。

オリオン通りなる宇都宮を代表する商業地を高いところから見下ろす。

ジャズと紅茶の香りとともに。

まさにトップ・オブ・宇都宮。

自分はとうとう成し遂げた場所に来たのだと実感した。

とても気分が良かった。

スコーンがすごい

フェンガーフード

そして紅茶に彩りを添えるアフタヌーンティーセットのサンドイッチ、スコーン等のフィンガーフード。

プレーンスコーン

こちらがプレーンスコーン。

キャラメルナッツスコーン

こちらがキャラメル風味の味付けがなされ、くるみが練りこまれたスコーン。

紅茶

まずは「JAZZの宮」を飲む。

美味しい。

心にジャズドラムのリズムが響いた。

次にスコーンをかじる。

ウッドベースの重低音が心に鳴り響いた。

クロテッドクリームをつけると、ジャズピアノのメロディーが宇都宮の歴史を奏で始めた。

キャラメルスコーンがトランペットで宇都宮の力強さを強調した。

あらゆるフィンガーフードが脇を固めた。

アフタヌーンティーセットによるセッションが始まった。

先ほどまでぐずっていた我が子が、スコーンやサンドイッチを食べた途端に機嫌が良くなり、笑顔で踊り出した。

そして彼らが奏でる音楽を心に感じながら、私はゆっくりと目を瞑った。

ジャズ

私はいつしか、ジャズのライブ会場に来ている一人の観客だった。

オリオン通りを歩く学生や店内の客、周囲を取り巻く全ての生き物がジャズに合わせてフラッシュモブのように踊り出した。

紅茶の香りがタクトを振って我々を指揮した。

古来より、音楽は我々に勇気を与えて来た。

そして我々は音楽とともにあらゆる難問に立ちはだかった。

紅茶が全てを解決する。

たとえオリオン通りがベルモールやインターパークの台頭によって、かつての賑わいを失っていたとしても、また復興する。

宇都宮で10代から喫煙する人がいて街の景観を壊しているとしても、いずれ紅茶が解決する。

宇都宮の個性はオリオン通りが生み出して来た。

オリオン通りにY's tea roomの紅茶の美しい香りが流れ、人々の流れが変わる明るい未来が私のまぶたの裏に見えた。

全ては宇都宮のためにー。

日本初の紅茶部について

追記。

先ほどJ-WAVEというラジオを聴いていたら、宇都宮の紅茶消費量を日本一に押し上げた鍵の一要素は、上記Y's teaのオーナーさんと、近くの小学校の日本初の紅茶部であった、という内容のことが話されていた。

J-WAVEで話題になるということは、もう全国レベルと言って過言ではない。

小学校から紅茶に親しむとは、素晴らしい食育だと思う。

Y's tea room (ワイズ ティールーム)
住所:栃木県宇都宮市曲師町5-3 タキヤビル2F
最寄駅:東武宇都宮駅
営業時間:11:00〜18:00
定休日:月曜日、火曜日(要確認)
(公式ホームページ世界のお茶の専門店 Y's teaより。)

なお、東京のアフタヌーンティーセットについて子連れ赤ちゃん連れでも行きたい!東京アフタヌーンティーランキングに書いているので、必要に応じてご覧ください。

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