アルバイトの面接試験に落ちたけど無理やり合格に逆転させる交渉方法
アルバイトをしようと思っていても、そこには面接試験という壁が立ちはだかる。
その壁に確実に合格する方法を指南したい。
アルバイト採用試験の履歴書の書き方
私は大学生の頃に数々のアルバイトの採用試験を受け、いずれにも合格してきたのだが、1つだけ落ちたものがあった。
コールセンターの電話オペレーターという非常に高尚なアルバイトである。
しかしそれを交渉の末無理やり合格にさせた。
つまり、私の経験から言えば、やりたいバイトがあった際に面接試験で落ちたとしても、やり方次第で合格に覆せるということである。
まず履歴書の書き方。
こんなものは適当に書いておけば良い。
特に趣味・特技欄とかいう絶対に見られていないようなくだらない項目などは、考える時間ももったいないことから、私は適当に「自然科学」と記入しておいた。
しかし適当に書いたつもりだったが、これは相当コールセンター業務の根幹に直結したものすごく優秀な書き方だったのではないかと思えてきた。
まず、普通の人がコールセンター業務に就こうと思ったら、「笑顔で話すこと」とか「会話」とか「なんとか資格」とか、コミュニケーション能力や一定の真面目さなどがアピールできる事項を記載するだろう。
ところが、同じようなことを他の受験者も書いてくるのだから、面接官側にとっては、「またかよ。飽きるわ」と思われてしまうだけであり、全くアピールにならないのである。
だが、ここに「自然科学が趣味」という人間が受験してきたらどうなるか。
確実にユニークであり、「なんだこいつは。一回これについて質問してみよう。なんだか面白い奴が受験しにきてくれて、わくわくするぞ」と好印象を与えるに間違いないのである。
そこで私は、本番の面接で必ず「自然科学が趣味とかどういうことか」と訊かれることを想定して、その回答内容を綿密に固めて準備した。
アルバイトの面接本番で落ちない話し方と服装
アルバイトの面接で落ちない方法は、やはりコミュニケーション能力の良さと清潔感をアピールすることだろう。
当日の受験者は30人くらいいたと思う。
私以外全員女性だった。
しかもちょっと20歳代後半とか、大学を出て間もない人が多かった。
30歳代の女性もいた。
皆、清潔感あふれる服装を着ていた。
また、やはり年上である程度仕事をされてきた経験があるのか、互いにリラックスした余裕の雰囲気で待合室などで会話をしていた。
私も薄汚れたスニーカーという清潔感あふれる服装で臨んだし、いかに自然科学がコールセンター業務に役立つかということを技術的な観点から理路整然と述べるための準備を抜かりなく行なっていたので、堂々と胸を張っていた。
待合室から順番に10人くらいずつ呼び出されて、面接室に向かう。
面接本番では10人くらいの集団面接だった。
一人ずつまずは自己紹介をされて、私は趣味が自然科学であることをジャブ程度に伝えた。
これで面接官の心にフックがかかったので、次の私に対する質問では確実にその「自然科学」について訊かれるはずだった。
しかしながら、その質問が私にこないばかりか、そもそも私など眼中にないという雰囲気で一切質問が私に向けられることなく、集団面接は終わった。
おそらく、もはや履歴書と私の自己紹介を聞いただけで即採用の心証になったため、それ以上の質問は不要だったのだろう。
後日合格者にだけは電話で合格通知が来るとのことであり、その場合には何月何日の何時にこの場所に来い、との伝達事項が伝えられた。
しかしその集合日当日になっても、一向に電話が来なかった。
私は落ちたのである。
アルバイトの面接に落ちても平然とバイト会場に向かう
さて、落ちたわけなのでそれ以上どうにもならないのが一般的な通説であるが、私はそうは考えなかった。
電話が来ない理由は私が求められた人材ではなかったからではない。
電話回線が悪くて私に電話がかけられなかったのだと考えた。
何しろ、自然科学が趣味の私をコールセンター業務の担当者が落選させる理由が見つからない。
しかも私は電話越しの会話をする際に、しばしば相手から「声が聞き取りづらい」と言われてもう一度同じ内容のことを言われるほどの男である。
つまり、あまりにも美声すぎて、何度も電話越しで私の声を相手は聞きたがっているのだ。
直接的に「あなたの声がなんども聞きたい」と言うのは恥ずかしいので、「声が聞き取りづらい」と逆のことを言うことでその恥ずかしさを紛らわしつつ、私の美声を再度聞こうとする。
もはやコールセンター業務に最適な声である。
これほどコールセンター業務にうってつけの人材を確実に採用したがっているのに私に連絡がつかなくて焦っている面接官の様子を思い浮かべると、いたたまれない気持ちになった。
そこで、合格者だけが入室を許されているはずの集合場所の待合室に、指定の集合時間に間に合うように余裕を持って向かった。
すでに数名の合格者が待合室にいた。
私は堂々と挨拶をして、彼女らのうちの一人の隣の椅子に座った。
さすがコールセンター業務に合格するだけあって、会話が弾む人たちばかりだった。
私生活のことなどを話すうち、盛り上がってきた。
集合時刻が近づくうちに、徐々に合格者が待合室に集まってきて、部屋の人数が増えていき、会話が楽しくなってきた。
これから一緒に働けることが楽しみだ、と言う共通認識が部屋中に広がった。
そして指定時刻になると、企業の担当者が来て、「この後実際に勤務現場に移動しますので、一人ずつ点呼しますからお名前を呼ばれた方からお荷物を持ってこちらに移動してください」と言った。
部屋には全部で大体29名くらいいたと思う。
そして一人ずつ呼ばれて廊下に移動していき、やがて全員いなくなった。
私以外は。
企業の担当者は、「えっ?」という唖然とした顔をしながら私の方を見ていた。
私も思わず「あれ?」と言った。
私「私の名前が呼ばれていないのですが」
担当者「えっと。。。お名前はなんというのですか」
そして私が名前を告げると、担当者は「いや、、、あの、、、今日は合格した方だけが集まる日ですし、そう申し上げたはずですが」と言った。
私は、「はい。それで私はどうすれば良いでしょうか」と、合格しているのが前提であってその紙の私の名前がないことは貴殿の手違いだ、という堂々とした雰囲気で答えた。
すると若い担当者は、「少々お待ちください。今確認して来ます」とどこかに行ってしまった。
そして3分くらい後に、その若い担当者とちょっと年上の上司のような女性が来て、「合格のお電話は差し上げましたでしょうか」と私に聞いて来た。
私は、「いや、受け取れなかったのですよ。申し訳有りません」と、あたかも電話が来たはずなのだけどそれに気づかず受信できなかった、というトーンで答えた。
上司と若い担当者は、明らかに困った風だったし、うざそうだった。
私も困惑の表情をわざと浮かべていた。
そして上司と若い担当者は、何かをヒソヒソと話し始めた。
そして、上司は、「あなたに熱意があるのなら本日からここで働いていただきたいと思いますので、いかがでしょうか」と言った。
私は、「そもそも本日からここで働くことは決定事項なはずなのに変な質問だな」という雰囲気を出しながらも、ものすごく熱意ある声で「はい」と答えた。
私は合格を勝ち取ったのである。
落ちたか落ちてないかを決めるのは我々
上の実体験で言いたいことは、落選したとしても堂々とクレーマーのように居座るという交渉術を使えば相手もうんざりして合格にせざるを得ない、というどうしようもないことではない。
面接で落とされても気にするなということである。
世の中には、バイトに限らず、あらゆるジャンルの面接試験で落とされると、人間性とか生き様を否定されたような気がして落ち込んでしまう人がいるらしい。
そうなると、あらゆる面での自信までもが奪われてしまい、その悪影響が他のことに波及して負のスパイラルに陥ることにもなりかねない。
しかし面接の内容に自信が持てていたのなら、全く気にする必要はないというわけだ。
合格させるかさせないかは相手の勝手な都合であって我々の知り得るところではないが、面接内容に堂々と自信を持って答えられていたのならば、それは我々が自分の合格水準に本番で達することができたわけで、我々にとっては合格なのである。
私は自分の面接内容が私自身合格に達していたところ、電話連絡がこなかったので何かの手違いかと思って現場に向かっただけのことであり、その後私を合格させてくれたのは些細な副産物にすぎない。
なお、交渉の結果勝ち取ったコールセンター業務は全く私に合わないことが判明したのですぐに辞退したことを付記しておきたい。