聖心女子大学宮代祭に行った。高貴な雰囲気と伝統の継承を感じた
2016/09/16
聖心女子大学のキャンパスにホームカミングしたら、そこは懐かしく高貴な文化が根付く格式高い場所だった。
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宮代祭は伝統の精神が存分に発揮された文化的フェスである
聖心女子大学ほど、その卒業生に愛される大学はあるだろうか。
通常、大学の祭といえば、1年に一度行われる大学祭だけである。
しかし聖心女子大学では、毎年10月頃に開催される聖心祭に加え、9月に「宮代祭」なるフェスティバルが開催される。
聖心祭やそれと同時に開催されるオープン・キャンパスが、主に在校生及び受験生、高校生のためのものであるとすれば、この宮代祭は、卒業生のためのフェスティバルである。
私も地方国立のFラン大学に通っていた身であるが、その大学では卒業生のための祭を毎年開催するようなことは行っていないし、多分多くの大学がそうであろう。
そして、特段、母校を毎年訪問したいとは考えない。
しかし聖心女子大学の卒業生は違う。
この毎年開催されるホームカミングの場に積極的に参加し、ラッフルに寄付するボランティア精神を遺憾なく発揮するとともに、卒業生の間で近況や懐かしい話に花を咲かせる。
母校及びそこで培った人間関係を大切にする。
これほど卒業生に愛される大学は類を見ないと推察される。
そこで私は、卒業生である妻及び子どもとともに宮代祭に参加することで、どれほどの魅力があるのかを確認することにした。
聖心女子大学へのアクセス
聖心女子大学へは、日比谷線広尾駅から行くことができるが、渋谷からバスで向かうと、正門から入れるらしい。
正門は大学の第一印象を一瞬で決定づける。
正門に大学のイメージが集約されているといえよう。
したがって、裏門ではなく正門から入るために、バスで向かうことにする。
バスは渋谷駅東口の54番のバス停、日赤医療センター前行きの終点で降りると良いらしい。
バス内では、気品溢れる奥様が、私の子どもを見て、席を譲ってくださった。
自然に他者に席をゆずるという他者愛。
なかなかできることではない。
どこかしらバス内からも、聖心女子大学の伝統の一端が垣間見られた。
伝統溢れる正門
日本赤十字社医療センターから徒歩で5分くらいで到着した。
広尾といえば港区の一等地。
港区は裕福な場所であり、時代の先端を担う企業がひしめくめまぐるしい場所といえる。
その時間の流れに抗うかのように鎮座するこの重厚な木製の正門。
安易に新しいものに飛びつかないという安定した心構えと覚悟。
UNIVERSITY OF THE SACRED HEARTの文字。
中東に起源を持ち、西欧で培われたキリスト教の伝統が重んじられ、溢れる愛とともにその精神がこの聖心女子大学に宿ることが感じられるプレート。
正門の時点ですでにグローバルな文化継承を肌で感じる。
気品溢れるお嬢様方と優雅な雰囲気
正門をくぐるとそこは静謐な桜並木。
毎日忙しさに追われる東京の喧騒をあざ笑うかのように、木々はゆっくりと揺蕩う。
そこを歩くのは高貴なお嬢様方。
驚くべきことに、ここまですれ違うすべての方が、日傘をさしていた。
いつでも肌のケアを忘れない健康への配慮。
金持ち感がハンパない。
民度の違いと、何か超えられない壁を感じた。
大学は偏差値等で順位付けされることが多く、例えば早稲田や慶応に行けば「私学でトップクラスの大学」とか考えたりもするが、ここはそう言った既成の尺度が通用しない、何か超越した雰囲気がある。
並木道を抜けるとテニスコート。
ここで在校生は優雅に汗を流しながら、友情を培う。
テニスを楽しむ学生とそれを眺めながら本を読む学生の姿をそこに見た気がした。
いたるところにベンチ。
お庭とベンチの組み合わせは、世界を制したフランスやイギリスを思い出させる。
心の豊かさの象徴といえよう。
マリアンホールやパレスの姿は、文化と伝統の現れ。
グローバルプラザのような先進的な建造物と文化的な建築物とを同居させることで、いかなる場面にも対応出来る学生を育てようという校風を感じる。
福祉と教育、育児への熱意
高い教育と品性を備えた人は、福祉や教育、子育てへの熱意を持つ。
宮代会館に於いては、ミニバザーやラッフルが行われる。
バザーでは他者への寄付の精神に基づいて集められた良品の数々が揃う。
また、ラッフルでの寄付金はそのまま震災等の被害者のために役立てられる。
なお、この宮代会館には、「7 stories」なるパンフレットがあり、金融、国際、マスコミ、教育等、幅広い分野で活動される卒業生が多いことがうかがえる。
キッズルームが完備され、そこでは絵本の読み聞かせや各種ゲームが在学生及びスタッフの尽力のもと行われている。
育児への深い理解を感じる。
レッドムーン、はるか、マチルダといった珍しいジャガイモや、黒ごま味や焼き芋味といった珍しい味の八つ橋の無料配布が行われていた。
誰かに食べていただきたい、そして誰かに幸せになってもらいたいという他者配慮の精神がここでも息づいている。
数多くの協賛企業
売店では数多くの美味しいお店の味を楽しめる。
キリーズフレッシュのパンや赤坂有職の茶巾寿しは絶品である。
お土産に成城凮月堂の聖心ロゴ入りどら焼きを買うのが定番。
sacred heartのロゴを家で眺めては母校の様子愉しみ、友人の活躍を想いながら喜び、そして美味しいどら焼きに舌鼓を打つ。
荘厳で愛情あふれるチャペルと聖母マリア像
ミッション系大学であり、荘厳なチャペルがある。
かなり広く、イギリスの数ある教会と比較しても、これほどの席数、面積の教会はなかなかの規模である。
ここで結婚式を挙げる、挙式をするというのが在学生の夢であるとの論も多数聞かれる。
広尾駅方面に向かう坂道を下りて帰宅の途につく。
帰りにはマリア像が陽の光を浴びてお祈りをされていた。
在校生及び卒業生、そして全ての人々への無償の愛と世界平和を願っていらっしゃるのであろう。
またホームカミングしたい
今回、聖心女子大学に根付く数々の伝統と愛を感じた。
確かにこれは毎年ホームカミングしたいし、そこで培った人間関係を大事にしたいと思わざるをえない。
ここで学んだ学生たちは幸せであると断言できる。