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おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本の感想と睡眠効果抜群な理由

   

おやすみ、ロジャー魔法のぐっすり絵本の感想と睡眠効果抜群な理由

寝かしつけが大変、全く眠ってくれない、うちの息子がお昼寝なんて夢のまた夢、と嘆いている育児中のママ、パパが口を揃えてこの本でうちの子が簡単に寝てくれるようになった!という感想を抱くことで話題の「おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本」を10回くらい読んでみたところ、なぜこの本で簡単に眠れるのかがわかりました。

その理由について分析したことをこの記事にまとめます。

なお、あらすじなどにネタバレがありますので、まだストーリーを知りたくないという方は読まない方がいいでしょう。

また、この記事は長文なため、どんなに不眠症な方でも文字を追っている間にウトウトと眠くなる可能性がありますので、今眠ってはならない方は読まない方がいいでしょう。

キーワードは、「催眠」、「同調効果」、「同調現象」です。


子供をトランス・催眠の状態に落とす仕組みが詰め込まれている

巷では催眠術、と呼ぶ魔法のようなアレですが、術、とつけるとオカルト的なイメージがついてくるので、本当は「催眠」といった方が適切でしょう。

昔、5円玉の穴を糸に通して糸の端部を指でつまみ、振り子のように相手の顔をかざして「あなたはだんだん眠くなる」という遊びをやったことがあると思います。

まあ普通の人がやっても全然効果がないんですけど、心理学とか話術とかに長けているプロが同じことをやると、少しはうまくいく可能性が高いです。

しかし大抵はあんなやり方では成功しないでしょう。

あの5円玉で「あなたはだんだん眠くなる」という催眠は、されている側が「今自分は眠くなっているんだ」ということを信じなければなりません。

しかし、昨今では「5円玉を使ったあの催眠で眠れるはずがない」という疑念がみんなに浸透しているため、「これで眠くなるはずがないだろう」という前提が先走っているわけです。

なので、されている側は、その催眠効果を信じることができないため、いつまでたってもトランス(催眠)状態に入ることができず、眠くなることはありません。

したがって、子供を眠らせるためには、「今自分は眠くなっているのだ」ということを信じ込ませなければなりません。
だからと言って、ただ「あなたは眠くなるのよ」と直接的に言い聞かせても全く効果はありません。

そこでこの本は、かわいくておっとりしたキャラクターたちを使って、間接的に子供を催眠状態に落とすスキームを採用しています。
このスキームは、どんな平凡な親でも簡単に子供をトランスさせることを手助けしています。

同調効果で子供を眠らせる

もう一つ、おやすみ、ロジャーで使われている手法は、「同調効果」です。
同調現象とかミラーリング効果といった言い方もできます。

同調効果は、相手の意思をコントロールするときに誰もが簡単に行えるやり方です。

合コンなどで意中の相手に自分への好意を抱かせる場合、相手と全く同じ仕草、行動をしたり、相手の発言を繰り返しリピートしたり、相手の趣味や思想に寄り添うような発言をしてみたりするのは、すべて相手を自分に近づけるためです。

そうすることでやがて相手は自分に好意を寄せるようになります。
なぜなら、相手は自分のことを「似ているタイプなので信頼ができる」と思うようになるからです。

そのような同調効果を、おやすみ、ロジャーではいきなり冒頭から使っています。

同調現象を使って、子供を多数側に引き込む

最後に、この本では同調現象の効果も使っています。
同調効果はどちらかというと一対一の場面で相手を自分に引きずり込む能動的なスキルのことを指しますが、似た言葉で「同調現象」というものがあります。

これは、一対多の場面で起きる現象のことを指す場面で多く使われます。

例えば自分(一)がいつの間にか流行(多)に左右されている。
あるいは自分がテレビや新聞のマスコミの意見に左右されている。
これは同調現象の効力の一種です。

この効力は非常に強力です。
「絶対に周囲に左右されないぞ」という強い意志を持っていないと、その効力に抵抗することは困難です。

特に心理的にリラックスした状態においては、もう強い意志など働くはずもなく、一気に大多数側に引きずり込まれることでしょう。

うさぎのロジャーはキミと全く同じ

上記手法を実現させるために、この本ではうさぎのロジャーというキャラクターをメインに使っています。

冒頭で、このロジャーは、キミ(子供)とまったく同い年であり、遊ぶのが好きであり、眠るのが嫌いであることが説明されます。

一般的な人間の子供とまったく同じだということがゆっくり説明されます。

これで、聞いているキミは、「ロジャーは自分と同じなのか」という考えを抱きます。

そこへきて本文では、「周りの兄弟はすでに眠ってしまっている」ことが語られます。
寝ていないのはキミだけ、というわけですね。
その状況でロジャーは、眠ることよりも楽しく遊ぶことを横になりながら考えているわけです。
まったくキミと同じタイプのキャラクターですね、ロジャーは。

このやり方はキミの共感を呼びます。

なぜなら、いつもキミは「眠れ」と言われているのに眠れない状況が苦手なわけです。
周りの兄弟やお友達はちゃんとお昼寝ができるのに自分だけができない。
そんな自分はもしかして特別にダメなんじゃないか、という気分にさえなります。

しかし自分と同じキャラクターがいる。それがロジャーです。
眠るのが苦手なのは何も自分だけじゃなかったのか、と気づく。
自分と全く同じタイプのキャラクターであるロジャーに共感し、同調効果でロジャーに寄り添うようになるわけです。

解放感や安心感でリラックス出来る場面が多数ある

さて、そのようにしてロジャーに感情移入しているキミは、ロジャーに起きていることをそのまま自分に起きている現象のことにようにイメージするようになります。

そしてロジャーに起きることが本文でどんどん語られます。

どういった遊びをロジャーはしているかというと、まずブランコ。
ブランコに乗るとどういう気分になるでしょうか。
まるで空を飛んでいるような浮遊感をいただきます。

誰しもそうですが、お風呂に入っている時はとてもリラックスしています。
浮力で体が浮いている感じがして、まるで重力から解放されて自由になった気がするからです。
そのような浮遊感は解放感に変わり、解放感はリラックス効果につながります。

当たり前ですが、良い睡眠はリラックス状態に入った時にしか得られません。
そのリラックス状態にキミを誘う仕組みがこの本では散りばめられています。

別の方法として、この本では「落ちる」とか「下に行く」という言葉を多用します。

我々大人は学生時代に物理学で「位置エネルギー」というものを学びました。
高いところに行くほど位置エネルギーは大きく、低いところのほうが小さいわけですね。

ロジャーは落ちていったり下に行ったりします。
これは位置エネルギーを低くしていくことを意味します。
位置エネルギーが低くなるとどうなるか。
安定するわけですね。

誰しも高いところにいる時は緊張状態にあります。
位置エネルギーが高いと緊張してリラックスできません。

しかし位置エネルギーを放出して低いところで安定すると、リラックスできるわけですね。

ロジャーと一緒に低い方へ低い方へと進むキミは、知らないうちにリラックス状態に近づいています。

あなたはだんだんリラックスしている、という催眠をキミに与えているわけです。

そのリラックスした状態において、ロジャーはクタクタに疲れたり、足が重くなったりします。
キミもロジャーと一体化しているという暗示がかかっているわけですから、同様に疲れてしまい、もう寝るしかないという催眠による意識が芽生えるわけですね。

あえて眠らないくていいという安心感

さて、この本はキミを眠らせるための本です。

その時点でキミは身構えてしまう。
絶対眠ってやるものか、とか、こんな本で眠れるわけがないだろう馬鹿馬鹿しい、という猜疑心とか反抗心が働いて、キミはなかなか安心してくれません。

そこでこの本では、あらゆるところに「別に眠らなくていいよ」と呼びかけています。

ロジャーはクタクタに疲れて何度も「眠たいなあ」と考えたり、あくびをしたりします。

もしもキミが催眠状態に入っていたら、ロジャーと同様にキミも疲れて眠くなるわけですが、多分そうはならないでしょう。
そうすると、この本への疑いが強まってしまい、なかなか安心してくれない。
あるいは、「やっぱり自分は眠れないダメな子なんだな」と不安になってしまう。

しかしこの本では、ロジャーが眠たい時でも「キミは眠くなったら寝ていいけど、別にまだ眠くなければ寝なくていいんだからね」と呼びかけます。
この救いの手のような優しい言葉。
これによってキミはまた安心状態に入ることができます。

眠気を誘うたくさんのキャラクターたち

おとぎの国に来てしまったキミにはたくさんのキャラクターが会いに来ます。

まず、この国ではキミは完全にアウェイですね。
アウェイなお客さんには、郷に入っては郷に従えで、その国の住人に波長を合わせるべきだという意識が働きます。

その意識が働いたまま出会うキャラクターたちはみんな眠そうです。

あくびおじさんとか、おねむのカタツムリとか、ウトウトフクロウとか、名前の時点で眠そうですし、仕草もゆっくりしています。

ゆっくりした空気がこの国全体に流れているわけです。

アウェイなキミには、この国全体に流れる空気から受ける同調現象によって、「眠くなる」という意識が働きます。

それでも眠れないキミへの保険をかけている

さて、この本を読んでもらう子供は、その途中で眠りに落ちてしまうらしいので、最後まで子供が起きたままで朗読を聞いてしまった場合には、その子供にとって失敗したことになってしまいます。

そういった子供には、「世間で評判の眠れる絵本を読んでもらったのにもかかわらず眠れない自分はダメなのか」という自己否定が働いてしまいます。
自己否定は、子供をますます不安にさせてしまいます。

そういったことにならないよう、この本では最後に保険をかけています。

最後にはロジャーは寝てしまうのですが、そのロジャーが最後にキミに言う言葉は、「自分でもようやく眠れたのだから、キミも明日にはもっと早く眠れるよ」というものです。

これはすごい。
つまり、最後の最後まで、「まだ今眠らなくていいのだよ」という安心感を聞き手のキミの与えているわけですね。

これを聞いたキミは、「じゃあ明日眠れるようになればいいや」という安心感を抱いてリラックスし、そうしているうちに寝てしまうわけです。

効果が出ないことなどありえない、という感想

しかしそれでも眠れない子供が出てきてしまった場合にはどうするか。

最後のロジャーの言葉のとおり、「あした」やればいいのです。

継続は力なりのように、毎日やってみようという意識が子供にも親にも働きます。

毎日やれば、当然ですが親の読み方はうまくなりますので、子供を快眠に誘う効果を出せる朗読方を徐々に身につけていきます。

要するに、「いつかは必ず成功する」のです。
その「いつか」とはいつ起きるかわからないけど、とりあえず毎日やってれば「必ず」成功するというわけで、当然ながら、快眠の効果が出ないことなどありえません。

というわけで、仮にすぐには効果が出なかったとしても、長い目で見て何度もやってみましょう。

上記のとおり、私は10回黙読で読んだのですが、黙読しながら頭の中で朗読しているかのようにイメージするだけでも、回数を重ねるごとにリラックス度が増していっています。

この本は心理学と統計学とその他様々な学問に裏打ちされた科学的な良本です。

あと、今書いているこの記事は文字ばかりが延々と続く上に長文なため、この記事を読んでいる人が最後まで読まずに寝ているんだろうなあと思いながら締めます。

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