美味しい明治北海道十勝スマートチーズのキャリア志向と意識の高さ
2019/09/11
明治北海道十勝スマートチーズという美味しいチーズに、今まさに打ちのめされようとしている。
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明治北海道十勝スマートチーズうまみ濃厚チェダーブレンド90g(8個入)
あらかた6Pチーズもベビーチーズも食べ終えたことだし、そろそろチーズのレベルを上げようという人も多いと思う。
そういった際に一段階上の高級志向なチーズに遷移する上で外せないのが「スマートチーズ」だ。
上記パッケージをご覧いただきたい。
深みのある青のグラデーションに、まるで宇宙に漂うかのようにチーズが浮かんでいる。
ほろうま ほろほろ食感できわだつうまみ うまみ濃厚チェダーブレンド うまみ乳酸菌熟成
もはや何を言っているのかよくわからないが、とにかく響きのいい横文字や擬音語が並ぶことにより、我々チーズ初級を、チーズ中級以上に引き上げてくれそうな雰囲気を醸し出している。
しかし、チーズ中級に移行するどころか、チーズ中級をすっ飛ばして上級に手を出してしまったことを、チーズ購入後に理解した。
ニッポンのチーズを変えていく。
仕事で初めて会う人が、意識の高すぎるキャリアウーマンだったため、すぐ立ち去りたいという思いを抱いた庶民は多いと思う。
そして今回、このチーズに接した際に、同じ思いを抱いた。
普通の暮らしをして、ささやかにチーズを楽しめる生活が送れればよかったのに。
現状に満足していればそれでいい。
多少の不満はあっても、大きな問題がなければ現状維持で構わない。
そう言った私の態度を見事に吹き飛ばすかのようなエネルギーを持つ相手に接した際に、どうやってこの面倒臭い相手をやり過ごすかが課題となる。
私「普通のチーズで十分であり、これ以上痛みを伴うような変化は必要ない」
相手「いや、ニッポンのチーズを変えていく」
私「普通のチーズだって美味しいよ」
相手「いや、おいしさへのこだわりが必要」
私「もうチーズは十分に開発された。これ以上の新しい発想は望めない」
相手「柔軟な発想が必要」
私「これ以上の挑戦は必要ない」
相手「今日も挑み続けます」
私「チーズはしっとりした食感でそれなりのうまみがあればいい」
相手「ほろほろ食感で、きわだつうまみ」
私「チーズは固いものであり、口の中で溶けるものではない」
相手「ほろほろと、ほどけるような口どけの全く新しいおいしさのチーズです」
私「チーズにこだわりは必要ない」
相手「このチーズに込めた"こだわり"を是非ご賞味ください」
何だこのパワーは。
まるで現状にささやかな幸せを見出して何も挑戦しようとしない私を叱咤激励しようとしているかのようなパワー。
非常に厄介な相手である。
もう帰りたいけどどうやって帰ろうか。
しかしこのまま無下に引き返すのも礼儀に欠けるため、軽く一口食べてから社交辞令のように帰ることにしよう。
そういう態度を出すと、意識の高いビジネスパートナーは自信たっぷりにこう言うに違いない。
相手「うまみ成分が多いため、塩味を強く感じることがあります。」
何と言うセリフだろうか。
普通もうちょっと下手に出ると言うか、ちょっと自分を卑下するくらいのへり下りこそが日本の良き文化ではないのか。
それを、「うまみ成分が多いため」などと、もはや嫌味にも近いくらいの正直な強気アピールをしてくる。
「塩味を強く感じる」と言う、一見するとマイナス要素のように思えるものがあるのならば、普通の日本人ならこう取り繕うだろう。
「塩味を強く感じてしまうかもしれませんが、製造上仕方のないことであり、特に問題があるわけではないので、どうかご心配なく」
相手に心配をかけないような配慮のみを述べることで、相手に安心感を与える。
しかし外資系なキャリア志向のビジネスパーソンは違う。
「塩味を強く感じる」と言うマイナス要素のようなものの説明をする過程で、「うまみ成分が多い」と言うプラス要素の付加価値を入れてくる。
どんな状況でも自分の強みをアピールするこの自信のあらわれ。
自分をアピールするのが苦手な日本人がグローバル社会で活躍するには、このような自信が必要と言われている。
つまり、日本の古き良き文化を一旦壊す必要がある。
ニッポンのチーズを変えていく。
私はこのメッセージの意味を理解した。
日本のチーズを変えると同時に、日本の文化をも変えようとしているのだ。
この貪欲さ。
何しろ、自分で自分のことを「スマート」と断言してしまっているのであり、「スマートチーズ」と記載された服を全身にまとっているのだから、その自信過剰ぶりは半端ではない。
そのスマートな立ち居振る舞いをご覧いただきたい。
2つに割ろうとすると、通常のチーズであれば、その粘性で「ブニョ」という割れ方をする。
あたかも、割れるのが名残惜しく後ろ髪を引かれる思いがあるかのように、グジグジとしているのである。
例えば、参考情報として、同じ「明治北海道十勝」シリーズの「明治北海道十勝ボーノ切り出し生チーズ」をご覧いただきたい。
極端な奴になってくると、このように端部同士を180度回転させた場合においても、全く切れようとしない。
何かを始める際には、別の何かを切らなくてはならない。
そしてその場合には、これまでの自分と一度お別れをする場面も出てくる。
しかし心の弱い奴は、過去の自分と決別するのが名残惜しいため、結論を先送りし続ける。
そうやって高みを目指すことができないまま一生を終える。
一方でこの明治北海道十勝スマートチーズうまみ濃厚チェダーブレンド90g(8個入)においては、「パキっ」と割れる。
まるでサバサバしたキャリアウーマンのようにあっさりしている。
割れることなど意に介さない。
それよりも、割れることによって見えてくる新たな景色の方に興味がある。過去の自分など興味がない。
といった具合に前だけを向いている。
リスクを取って覚悟を決めたのだ。
意識が高い。
そしてこの立ち方。
一方の足を直立させ、他方の足を投げ出すように斜めだちする様は、移動中に携帯電話で海外投資家とアポイントメントを取り付けながら手帳に然るべきメモを書き残す、一分一秒が惜しいビジネスパーソンのいでたちを思い起こさせた。
自信の表れである。
明治北海道十勝スマートチーズかおり濃香パルメザンブレンド 90g(8個入)
他方、明治北海道十勝スマートチーズかおり濃香パルメザンブレンド 90g(8個入)についても紹介したい。
まず、「かおり濃厚」ではなく、「かおり濃香」である点に注目したい。
上記先出のチーズは「うまみ濃厚」であり、単純に「うまみが濃い」のだなとわかる。
しかし「かおり濃香」においては、「濃香」の2字熟語だけで既に「かおりが濃い」ことを意味しているところ、「かおり濃香」では、「かおりのかおりが濃い」ということになってしまい、「香り」の意味する単語が重複してしまう。
これは何を意味するか。
すなわち「重なり合う」ということだ。
このチーズは「重なり合う」のである。
かおりと香りが。
重なり合う、うまみとかおり
パッケージには、重なり合うのはうまみとかおりとのコピーが記載されている。
これを表層的に捉えると、重なり合うのは「うまみとかおり」であり、「かおりとかおり」ではない。
しかしこのコピーはもっと奥が深い。
舌に感じる濃厚なうまみと、口の中で広がる芳醇な香りの余韻が楽しめる
つまり、まず最初に舌にうまみを感じる。
その後、余韻として香りを感じる。
当然ながら、うまみを感じる際には、味覚を介して香りのようなものを感じることができる。
うまみが素晴らしいほど、その際に感じられる香りのようなものは強くなる。
そしてその味わいを楽しんだ後に余韻としてさらに香りが立ち上がる。
すなわち、「うまみとかおり」が重なるということは、時間差のある2種類の「かおりとかおり」が重なり合うということを意味しているのであり、畢竟、味においても香りにおいても素晴らしいだけでなく、その香りの種類も豊富ということをこのコピーは意味していると捉えられる。
ものすごい自信であり、高みを目指していることが肌で感じられる。
立ち方も素晴らしいキャリア志向だ。
味と食感
もはやいうまでもなくどちらも濃厚である。
この深みは、やはり意識の高さからくるものであろう。
そして公言通り、前者の方が塩味が強かった。
後者は比較的甘みのようなものを感じた。
そして両者に共通するのはやはり深みのある味わいであり、高みを目指せば目指すほど、その領域は高さと同時に深さも極められるということなのだろう。
常温に置いておくと、表面が湿ってきてテカリも出る。
覚悟のある人間ほど汗をかく。これは高みを目指す熱意から出る汗に違いない。
高みを目指せば深みも増す。
とにかく、1つを極めようとすることが、その人の人間性の深みを成長させるということなのだろう。
今日もチーズからまた新しいことを学んだ。感謝したい。
明治北海道十勝贅沢スライス3wayタイプ うまみ濃厚チェダーブレンド6枚入り
なんとこの贅沢チーズには、スライスチーズタイプもある。
まずはチェダーブレンドだ。
味わう旨みが堪能できるようだ。
3wayタイプ 焼いて・はさんで・そのままで
このスライスチーズは3通りの味わい方ができるようだ。
一体どういう事だろうか。
興味は深まる一方だ。
1.のせて焼く 2.はさむ、のせる 3.そのままで
その具体例が裏面に記載されている。
なんと、乗せて焼いたり、はさんだり、のせたり、そのまま食べたりできるという優れものだ。
いや、普通ではないか。普通のスライスチーズで普通にみんながやっている食べ方を持って、「3wayタイプ」とかっこよく言い換えているだけではないか。
と一瞬突っ込んでしまったが、そんなチャチなことではないとすぐに理解した。
つまり、このスライスチーズは「贅沢スライス」である。
その贅沢さゆえに、一般庶民は購入後、どのようにして食べればいいのか戸惑う事と思う。
例えばフレンチのフルコースのような豪華な料理に使ったほうがいいのか。
しかしそんな高級料理をどうやって作ったらいいかわからない。
よって、この贅沢チーズは我々庶民には使い方がわからない。
贅沢なものには手が出ない。
と怯んでしまう人も多いと思う。
しかしそうではなく、贅沢な味わいであるにもかかわらず、庶民的な使い方ができるという事をこのチーズは言っているのだ。
高級食材にもかかわらず、決して高飛車にならない、鼻高々にならず、謙虚な姿勢である。
高級食材に使うタイプ、ではなく、あくまで普通タイプのチーズであると謙虚に強調している。
そして普通のスライスチーズの食べ方を「3wayタイプ」と持ち上げるように呼称するこの腰の低さ。
高い位に君臨する者が、一般人を尊敬しているような呼称。
この器の広さこそがこのチーズの素晴らしい点である。
贅沢時間にちょっと厚切り
しかし、ただの「3wayタイプ」ではないという点もさりげなく付記している。
贅沢時間にちょっと厚切りにした3ウェイタイプなのだ。
どういうことか。
それは栄養成分表示を見れば明らかである。
1枚あたり20gなのだ。
普通のスライスチーズであれば、トースターで温めた美味しいスライスチーズのとろけるランキングで書いたように、1枚あたりせいぜい18g程度である。
それが20gも入っているこの贅沢さ。
半端なことではない。
なお、エネルギーは68kcal、たんぱく質は4.4g、脂質は5.5g、炭水化物は0.3g、食塩相当量は0.71g、カルシウムは135mgということで、低糖質高たんぱく質でダイエット向きだと言える。
個別包装においても、3wayタイプであることが遺憾なく注記されている。
さらに以下の記載もある。
〜白い粒は、うまみの結晶〜
チーズやフィルムに白い粒が見られることがありますが、チーズ由来の旨味成分を含むアミノ酸の結晶です。
これはすごい一文だ。
普通なら、白い粒が付いていることは品質に問題ないので安心して食べてください、という但し書きをするところだ。
しかし、そういったマイナスをゼロにする但し書きではなく、一見するとマイナスと思えるものをプラスに転化させる文章だ。
その白い粒はあまりにもこのチーズがすごすぎる為に起こり得るものなのです。すごすぎてすみません。
こういったニュアンスに取れる。
このマットな質感。
これはコクがものすごいことがわかる。
実際食べてみると、舌にねっとりと残るそのアミノ酸由来の粉状のチーズ。
これはたまらん。
明治北海道十勝贅沢スライス3wayタイプ かおり濃香パルメザンブレンド6枚入り
明治北海道十勝贅沢スライス3wayタイプ かおり濃香パルメザンブレンド6枚入り120グラムもある。
エネルギーは65kcal、たんぱく質は4.6g、脂質は5.0g、炭水化物は0.3g、食塩相当量は0.56g、カルシウムは126mgということで、こちらも低糖質高たんぱく質でダイエット向きである。
うまみ成分が多いため、塩味を強く感じることがあります。
この文章も秀逸だ。
通常、塩味が強いのはマイナス要素である。
それを「うまみ成分が多すぎるから」という有り余るプラス要素に転化させている。
原材料名:ナチュラルチーズ、食塩、乳化剤
なお、栄養成分になぜか食塩が含まれている。
上記「うまみ濃厚チェダーブレンド6枚入り」では食塩が含まれていない。
原材料名:ナチュラルチーズ、乳化剤
だから、塩味が強いのは、うまみ成分に加えて、単に食塩を追加して加えていることが理由なんじゃないか、とかうがった見方をしてしまうが、そういうことはもうどうでもいい。
なお、両者を比較すると見た目から違いがわかる。
左がパルメザン、右がチェダー。
左は光を反射してツルツルしているが、右はマットな雰囲気である。
左は食感もツルツルしているが、右は口の中でほろほろとほどける。
個人的には、ほろほろと崩れていく「うまみ濃厚チェダーブレンド6枚入り」の方が好き。
なお、スマートチーズ全体として、しょっぱいほどに塩分を強く感じるまではいかないという感想である。ほどよく上品な旨味とそれに基づいた味わいが感じられるだけであり、もうたゆまぬ企業努力の賜物という感じがある。
明治北海道十勝スマートチーズ和風だしもおすすめだ
なお、以下のように和風だしシリーズもあるようなので、こちらもご参照いただければ幸いである。
上は、ほたて味について書いたものである。
とても美味しくておすすめである。