マセラティのスーパーカーの試乗でホイール擦って修理費請求された話
育児において、カーディーラーのショールームに行って試乗車を運転するのは非常におすすめであるという話を書きたい。
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スポーツカー等の高級車でも無料で運転できるのでおすすめ
子供は車が好きであり、とりわけ男の子であると顕著であることが多い。
私の4歳の息子も例に漏れず、車が好きになってきている。
昔はショベルカーやパトカー等のはたらく車が好きであったが、最近はもっぱらスポーツカーである。
車に全然興味がない私に言わせれば、何がそんなに魅力的なのか理解できないのだが、どうやらかっこいいらしい。
まだ幼児のくせにそのかっこよさが理解できるとは半端ない。
図書館で借りてきたスポーツカーの図鑑を毎日毎日音読しては、それらのスペックを暗記までしてきているほどだ。
しかし残念なことに、我が家には車がないので、車に乗ることができない。
ところが、世間にはカーディーラーというものがあるらしい。
そういうところに行ったことがないので全然知らなかったのだが、無料で試乗までできてしまうということだ。
これは凄まじいことではないか。
車を運転するシミュレーターをプレイしたりゲームセンターで疑似的な運転を体感するだけでもお金がかかる世の中なのに、タダで本物の車を運転できるのだ。
しかも、場合によってはタダでジュースを飲んだりお菓子を食べたりできる上に、記念品までもらえる可能性もあるという話を聞いた。
こんなコスパの高いアミューズメントはない。
そこで、スポーツカーに乗りに行くか、という話を息子にしたところ、「スポーツカー屋さんに行きたい」と張り切ってくれたので、早速近所のスポーツカー屋さんを検索した。
なお、スポーツカーとかスーパーカーとかの違いがわからないので、両用語を以下ではいろいろと適当に使う。
一番近くにポルシェ屋さんがあったので、子供乗せ自転車でポルシェ屋さんに向かった。
なお、ポルシェ屋さんでスーパーカーに乗った後にその近くの公園でお砂場遊びをする予定でいたので、自転車のカゴにはお砂場セットを乗せていた。
果汁100%のリンゴジュースが無料で飲めるのでおすすめ
ポルシェ屋さんに向かったところ、どうやらゴールデンウィーク中で休みであった。
息子が図鑑の中で一番のお気に入りが「カレラGT」とか「カレラ911」とかいうやつらしく、私はそれがどんな車だかよくわかってないのだが、とにかく毎日呪文のように「カレラ」と唱えていたので残念であった。
しかし車道を挟んで向かい側には、BMWがあった。
BMWで良いか、と息子に尋ねたところ、「それで構わない」、という返答を得た。
やや残念そうであった。
BMW屋さんに入ると、綺麗なお姉さんが出てきてジュースのメニュー表をくれた。
私は「このりんごジュースとは、100果汁のものか」と尋ねた。
「そうだ」と言われた。
息子の虫歯に気を使う私は、砂糖入りのジュースなど論外である。
BMW屋さんは100の果汁入りジュースを飲める上でおすすめである。
その後、たかそうなスーツを着た男性が出て着た。
そして、「どのようなお車をお探しで」のようなことを聞かれたので、「スポーツカーだ」と答えた。
「ここにはスポーツカーは置いてない」と言われた。
しょうがないので、ゆっくり息子と二人でジュースを飲んでいるのだが、なぜか私の至近距離でその男性スタッフは微動だにせず、また言葉も発さず、ずっと立っている。
私ら二人を威圧的に見下ろしている。
どうやら、冷やかしなら早くお帰り願いたい、というサインなのだろう。
なぜ私たちを冷やかしだと認識したのだろうか。
私はユニクロのTシャツにユニクロのハーフパンツ、ボロボロに擦り切れたスニーカーというとびっきりのおしゃれをしている上に、お砂場セットと水鉄砲を持って4万円もする子乗せ自転車で来訪しているという完璧なドレスコードを踏襲しているというのに。
しかし100%リンゴジュースが思いの外美味しく、息子と一緒にゆっくりと堪能したかったので、そのサインを無視した。
ようやく飲み終えて外に出ると、次善の策を練った。
そういえば、以前、自転車に乗っていたら、「マセラティ」というディーラーショールームの前を通りかかったことがあり、それを息子が見つけて「あれ乗りたい」と言っていたのを思い出した。
そこで「マセラティ屋さん」に向かった。
マセラティはジュースに加え、クッキーが無料でもらえるのでおすすめ
マセラティ屋さんにチャリで到着すると、素敵な出で立ちの男性が、「本日はどのような車をお探しで」と言われたので、「スポーツカーです」と単刀直入に答えた。
するとしばらく席で待つように言われたのでテーブルについた。
その間に女性がやってきて、飲み物のメニュー表を持ってきてくれた。
メニューのラインナップはBMW屋さんとさほど違いがない。
コーヒーやお茶に加え、りんごジュースとオレンジジュースがある。
私は間髪入れず、「ジュースは100%か」と尋ねた。
女性は「そうだ」と答えた。
それを聞いて息子は「りんごジュースがいい」と言った。またそれか、と思いつつ、私も先ほどBMW屋さんで飲んだりんごジュースの味が忘れられず、私もりんごジュースをもらうことにした。
そしてマセラティの良いところは、クッキーを2枚も提供してくれたことである。
ジュースにクッキー。快適なテーブル。最高のシチュエーションではないか。
スポーツカーは値段が高い
ややあって、スーツを着こなしたイケメンスタッフが来た。
そして、「グランツーリスモをお探しですね」と言った。
グランツーリスモ?
私はスポーツカーと言ったはずだが、なんだそのグランツーリスモというものは。
しかし面倒臭いので、「そうだ」と私は答えた。
するとなんだか色々アンケートとかを書かされた。
その後、「グランツーリスモですと、なんとかかんとかは価格は2400万円でなんとかかんとかだと1500万円ほどですが、ご予算はどのくらいをご想定でしょうか」と聞かれた。
なんだかよくわからない用語が出てくる上に、法外な金額のことを言われて一瞬躊躇した。
一桁間違っているだろう。240万円の間違いじゃないの?と思ったのだが、面倒臭いので指摘することはしなかった。
私はとりあえず、「上限は考えてません」と答えた。
そして、「ご購入の際のお支払いは、現金、ローン、なんとか、かんとか、・・・いかがいたしましょうか」と聞かれた。
私は「現金で」と答えた。
「現在お持ちのお車はご購入から何年立ちましたでしょうか」とも聞かれた。
あの4万円で買った子供乗せ自転車のことだろうか・・・?
それなら2年以上は乗っているので、電動アシストなしの子供乗せ自転車の運転の腕前なら自信がある。
しかしそうではなく、自動車のことを言っているのだと瞬時に理解した私は、「持ってない」と答えた。
上下ユニクロでハーフパンツでボロボロのスニーカーで自転車で来た人間が、2000万円以上の車をキャッシュで買おうとしている。
明らかに私を冷やかしと認定しただろう。
他の客は、高そうなオープンカーで来店しているし、服もユニクロには売っていなさそうなデザインの高そうなやつであった。
ここで冷やかし認定されたら、また試乗できなくて追い返される。それは避けなければならない。
しかしイケメンは、「今ちょうど新作のなんとかっていう左ハンドルのアレが試乗できるので乗っていきませんか。最高なやつですよ」みたいなことを提案してくれた。
クッキーもくれるし試乗もさせてくれるしマセラティ最高である。
保険入っていても事故った場合にお金がかかる
そういえば、試乗の前に免許証をコピーされて、保険がどうのこうのという話をされて、サインをした。
どうやら事故の程度によっては、お金がかかるらしい。
それでも上限が20万円とか30万円とからしいので、まあ2000万円の車を大破させたとしても2000万円払う必要はないらしい。
とりあえず私は予算上限なくキャッシュで車を購入できる男なので、30万円程度なら痛くも痒くもない。
早速試乗すると、息子は大はしゃぎであった。
「では、左に出てください」と、後部座席に乗っていたイケメンは言った。
私は左にウインカーをあげようとしたところ、ワイパーが動いた。
そしてワイパーの止め方がわからなかった。
何しろ、10年以上も車を運転していないペーパードライバーである。
本来ならば教習所に通い直して練習すべき腕前なのだろう。
これはヤバイと思った。
なんだかブレーキもものすごくかかりまくるし、車体もデカイし、なれない車というのは大変である。
しかし私は高級スポーツカーをキャッシュで買うほどの大金持ちであるというキャラクターを演じていたので、ここで引き下がるわけにはいかない。
とにかく慎重に運転することだけを心がけた。
車内はアットホームであった。
息子ははしゃいでいるし、イケメンスタッフは息子の話し相手をしたり家庭の話をしてくれたりした。
その後、「では、せっかくなのでスポーツカーっぽく爆音を立ててみましょう」みたいな余計な提案をイケメンスタッフはしてきた。
せっかく慎重な運転をしているのに、モードをスポーツカータイプに切り替えてスピードアップさせるらしい。
色々操作するところが多いが、大金持ちキャラクターの私は抜かりなくそれを実行、および成功裏に終えた。
しかし右車線に入ったところで「ガリ」という音が聞こえた。
私はそれを別になんともないじゃん、と楽観視していたのだが、イケメンスタッフはこの世の終わりのような声で「はあああ!!」と言った。
そして「縁石に擦っちゃいました・・・」と呟いた。
これが、「甘栗むいちゃいました」みたいに軽い感じで「縁石に擦っちゃいました♡テヘペロ」みたいなトーンだったら問題はないのだが、明らかに残念そうである。
なので、私もそれまでのアットホームな雰囲気はやめて、お通夜みたいに残念そうな雰囲気を醸成した。
車内では息子だけがはしゃいでいた。
マセラティで試乗した際の記念品一覧
さて、縁石にガリった以外は事故もなく戻って来た私たちは、またテーブルに通された。
すると女性がやって来て、「ジュースのお代わりはいかがでしょうか」と提案してくるのである。
お代わりまでもらえるのか!
私はマセラティのホスピタリティに圧倒されていた。
しかし息子はすでにりんごジュースをこの短時間内に2杯も飲んでいるし、いらなそうだったので断った。
私自身はすごく飲みたかったが。
ところで、クッキーはまだ開封していなかった。
なぜなら砂糖が入っているので息子にはあげたくなかったからである。虫歯になるから。
でも私は欲しい。なぜなら私はシュミテクトを使ってちゃんと歯を磨くしフロスも抜かりなく使うタイプだから虫歯の危険性が少ないからである。
しかしながら、未開封のクッキーを持って帰るというのは野暮である。
そこで、1枚だけ開封してみた。
開封ずみのクッキーならば、持って帰らないと捨てることになるので勿体無いことになる。
そこでスタッフに提案した。
「こちらの方のクッキーは開封してしまってまだ食べ切れてないので、持って帰ってよろしいでしょうか」
すると、「いやいやむしろ未開封の方も両方お持ちください」と言ってくれたのである。
このホスピタリティ。マセラティ最高だ。
そして以下の記念品をくれた。列挙する。
カタログ
本来、グランツーリスモなるものの紙のカタログは配布しておらず、全て電子化されたらしいのでダウンロードして欲しいとの説明が最初にあったのだが、せっかくのゴールデンウイークに擦って修理費を負担させてしまうことの負い目があるのか、帰る際に特別にくださった。
お気遣いさせてしまい申し訳なく思う。
付箋
すごくかっこいい付箋セット。
メルカリで売ればマセラティファンが高額で買ってくれて今回の修理費を補填できないかなとすら思う。
クッキー
たまごボーロのような優しい味わいでティータイムにうってつけだ。
なお、こちらは私はショールーム内で開封してちょっとだけ割って手をつけた感を出したものだ。
トートバッグ
子供乗せ自転車でお買い物に出かける際に重宝するバッグだ。
6万円の請求書
ホイールをこすると6万円の修理費がかかるということで作成していただいた請求書だ。
正確には消費税がかかって64800円だ。
丁寧にマセラティオリジナルの封筒に入れてもらえる。
非常に貴重な請求書なので、メルカリで売れば6万円くらいでだれか買ってくれないかなと思う。
これだけの記念品がもらえる上に2000万円近くの車が無料で乗れる。
やはりクルマ好きの子供を育てる育児において、試乗車に乗るのはお得でおすすめである。