くらし良好とろけるスライスチーズとヘルシースライスの加熱して感
2017/03/10
これまで、以下のように様々なスライスチーズにコミットし、研究を重ねて来た。
トースターで温めた美味しいスライスチーズのとろけるランキング
こんがり焼けるとろけるスライス(雪印メグミルク)は最強である
家計応援スライスチーズ(森永乳業)は安いしムダがないし改革者だ
クラフトフィラデルフィア贅沢3層仕立ての濃厚クリーミーチーズ最強
そしていよいよくらし良好シリーズに取り組むことになったが、その加熱して欲しい感に心を打たれた。
くらし良好(生活良好)スライスチーズ
まずはスタンダードなスライスチーズである。
1枚あたり15グラムということは、家計応援スライスチーズ(森永乳業)のものと同量である。
それに伴い、価格も安い。
東京都杉並区成田東のサミットにおいて、1パック(105g)の7枚入りで138円くらいの値段だったような気もするが、168円だったような気もするし、まあ忘れたのだけれどもいずれにせよクラフトや雪印のような大手のスライスチーズよりは価格は安めである。
なお、とあるネットショップで水曜限定で7枚入り102円という料金設定を見かけて、驚きを隠せない。
さすがに実店舗ではこれほど安くなかった。
製造者は信頼と実績のあのQ・B・Bのベビーチーズなどと提供するあの六甲バター株式会社であり、味の保証は抜群だ。
栄養成分はエネルギー48kcal、たんぱく質3.0g、脂質3.9g、糖質0.2、食物繊維0g、ナトリウム170mg、カルシウム86mg、食塩相当量0.4gということで、低糖質高タンパク質であることから、ダイエット向きな普通のチーズである。
安心して買うことができる高コスパなスライスチーズと言える。
くらし良好(生活良好)とろけるスライスチーズ
次はとろけるタイプのチーズだ。
ここでパッケージ表面の注意事項の記載に注目したい。
加熱してお召し上がりください。
加熱した方が美味しくお召し上がれます、といったような、加熱しなくても食べられますよ、というニュアンスはここからは読み取れない。
あくまでも加熱すること前提で話が進められている。
上記リンクで紹介した「クラフト とろけるスライスチーズ」においては、裏面の注意書きに「そのままでも加熱しても美味しくお召し上がりいただけます」との記載があり、クラフトのものは我々に「そのまま食べる」と「加熱しても食べる」の2つのオプションを用意している。
一方、くらし良好においては、我々に「そのまま食べる」のオプションを与えていない。
これはどういうことか。
加熱しなくても健康上問題はありませんが、風味の点では劣ります。
つまり加熱しないと風味の点で劣ってしまうことを懸念しているのである。
クラフトのはそのまま食べても美味しい。
しかしくらし良好のはそのまま食べると劣る。
こう見ると、クラフトの方がオールマイティ感がある。
けれども実際にそのまま食べた際の両者の違いはよくわからないものであり、「加熱しないと劣る」と自己卑下しているくらし良好の方が謙虚さを感じる。
なお、とろけるチーズをそのまま食べたらお腹を壊すんじゃないか、と懸念した人は少なからずいると思う。
そういう人に向けて「加熱しなくても健康上問題ありません」と注意してくれているくらし良好からは誠実さを感じる。
さらに加熱した際の「ヤケド」までも心配してくれているくらし良好は、親切の権化と言える。
なお、加熱した方が良いということで、私はそのまま食べた。美味しかった。
くらし良好(生活良好)とろけるヘルシースライスは限界を超えて超ヤバい
しかし最もヤバいのはくらし良好(生活良好)とろけるヘルシースライスである。
本当に色々ヤバい。
加熱用 加熱してお召し上がりください。
加熱用、と記載されたスライスチーズをこれまで見たことがない。
ここに込められたニュアンスは、まるで牡蠣のように、チーズには「生食用」と「加熱用」との2種類があることが前提で、このチーズは後者の「加熱用」なのだということを強調しているように思えた。
加熱殺菌しないとまずいような海域で取れたチーズであるため、生で食べるとお腹を壊すような菌がいるかもしれないから絶対に加熱しろ、と命令されているように見える。
植物油脂を主原料とするチーズ風味素材です。トーストやハンバーグにどうぞ
購入後にこの記載に気づいて、これはヤバいものを買ってしまったと思った。
「チーズ風味素材」。
主原料が油。
この加工食品感が半端ない記載にゾクゾク感を隠しきれない。
普通のスライスチーズだったら、「種類別 プロセスチーズ。 原材料名 ナチュラルチーズ、乳化剤」くらいで済むような裏面の記載箇所に、長々と漢字が並んでいる。
名称:乳等を主要原料とする食品
つまりこれはプロセスチーズとかそういう次元ではない。
もはや特定の名前などつけられない、乳とかその他が含まれた何らかの「食品」という上位概念化されて抽象的な物品なのである。
そんな物品かといえば、とりあえず食品であることは間違いない。
原材料名:食用植物油脂、乳たん白、チーズ、食塩、乳等を主要原料とする食品、でん分、・・・
そして、この「乳等を主要原料とする食品」を作るための原材料の中に、再び「乳等を主要原料とする食品」が出てくるヤバさ。
自分の中にもう一人の小さい自分がいる。その小さい自分の中にはさらに小さい自分がいる。
マトリョーシカのように無限に続く「乳等を主要原料とする食品」。
これはフラクタルな何かを想起させる。
プログラミングで製造工程を書く場合、再帰関数としてfunc 乳等を主要原料とする食品(){・・・乳等を主要原料とする食品()・・・}を定義しておくことで、この「乳等を主要原料とする食品」の製造スピードを大幅に増加させることが可能だろう、ということも考えた。
とにかくヤバいことは間違いない。
これを製造した「マリンフード株式会社」には、とてつもないユニーク食品を生み出したことに賞賛の嵐だったことだろう。
しかしいろいろ添加物が入っていると「ヘルシー」からは相当遠くなるように思えるが、やはりコレステロール90%オフぶりがヘルシー側に貢献していると見えた。
マリンフード株式会社の公式サイトによれば、
乳脂肪の代わりに植物油脂を使用しているためプロセスチーズと比較してコレステロールが90%以上カットされています。
通常のとろけるタイプのスライスチーズと同じようにご使用頂けます。
とのことだった。
一貫して「健康志向食品」を貫いている。
これはチーズ代替品ということで、第3のチーズというにふさわしいジャンルに属するのだろうか。
中身を見ると違いが明らかだった。
手前でツヤツヤ輝いているチーズがとろけるチーズであり、奥がとろけるヘルシースライス。
ヘルシーの方は、どこかグレーのような斑点状のものが浮き上がっているようにも見え、ツヤがない。
また感触もベトベトした感じである。
これは相当ヤバい。
しかし「通常のとろけるタイプのスライスチーズと同じようにご使用頂けます。」とホームページに記載されていることから、私は通常のとろけるタイプのスライスチーズと同様にそのまま加熱せずに食べたところ、結構ヤバかった。
美味しいか不味いかと問われれば、もちろん美味しいのだが、普通のスライスチーズと食べ比べると味の違いが明らかになってしまう。
しかしこれは加熱しなかったことが原因であり、加熱すればもう普通のチーズと遜色ないくらいに美味しくなるのだろうし、超健康的なのだろう。
やはり「加熱してくれ」という要望には正直に応えておくべきだった。
いずれにせよ、とにかくチャレンジングなマリンフード株式会社の挑戦意欲に拍手をしたい。
なお、マリンフード株式会社の会社概要ページに、「marin food JUMP THE FLONTIER 限界を超えて」と記載されていることを付記しておきたい。
さらに、マリンフードが「海産物関連の会社なのかな」と考えようとし始めた矢先に、それを遮るように食い気味に「マリンフードの名称の由来はマーガリンフードから来ています。」との記載が目に入ったことも合わせて注記したい。